風に散ったともし火を彼の地に再びと願う

電車に乗って、船に乗って、たどり着いた場所は極楽浄土への入り口だ。
ご本尊の前で僧侶が何やら厳かに儀式を行っている。
そこにいると、なぜか不思議と暑さも忘れ、自然と涙が溢れてくる。こころが穏やかになる。しばし、「僕等」は今は亡き魂を想う。

コトバとかモノなんかでは決して表現できないことが確かにある。
科学では説明できないことが存在する。
境内に入った瞬間、その力が空間を揺らすのを「僕等」は見た。
もう、涙止まらない。
そこにいる。確かにいる。
「僕等」に何かを伝えようとしている。
怒っているのか、ありがとうなのか、それはわからないけれど。

いつか「僕等」も風に舞う日が来る。
その時、何かを伝えたい誰かがいるだろうか。
その誰かは「僕等」に優しい人だろうか。それとも裁く人だろうか。
「僕等」の罪を罪として扱うのか、あるいは許容範囲と笑ってくれるのか。

それはまだわからない。

※「僕等」は誰かに優しいだろうか?厳しいだろうか?
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by ten2547 | 2005-05-05 16:56 | 旅行

モーラムの夜

倒れるくらい暑いというのに「野外ライブ」かい?と、思いつつも、
倒れるくらい暑いからって、このノリノリを座って聞いてていいのかい?と、シ~ンとした会場を見渡す。
みんな、踊ろうよ!
シャイなのか、やっぱり暑いからイヤなのか、一部の集団しか盛り上がらない。
ま、いいか。他人のことなんか気にせずに、どういう流儀が正しいのか僕にはわからないけど、身体が自然にタテノリに反応し始める。そこからは、もう止まらない。

その会場に来ている人々は「田舎者」だ。
巨大な都会の片隅で細々と生活している市井の人々だ。
ささやかな楽しみは香りがついた程度の薄い水割りに歌と踊り。
それはあまりにティピカルな偏見なのかもしれないけれど、バクハツしきれない彼らを見ていると、勝手にそんなことを想像してしまう。この暑いのにようやるのうあいつらは!って思ってるかもしれない。そうであって欲しい。一緒に踊って騒いで笑って欲しかった。目で合図する。ホラ、我慢しないで、ね、踊りましょうよ。2秒ほどためらった彼女は立ち上がり、はじけた。ソレソレ~
な~んてまたまた酔った頭で色んな世界を浮遊する。

※夢か現か、そこに僕は確かに居た。はず。
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by ten2547 | 2005-05-05 16:38 | 旅行

ローンプレーンタイダイニットノイクラップ

-身体はボロ雑巾のように疲れていた。-な~んてどこかで聞いたような言い回しでも構わない。とにかく、自分が自分でないほど、そこがどこか認識できないほど、疲労していた。
そうまでして、どうして行くのか。そこにそれほどのものがあるのか。何百回聞かれても答えは?のまま、でもこの疲労がその答えだ。もう死んでもいいと思えるほどの高揚感の中、僕は鼻唄しながら夜明けの街を歩いていた。そうだな、腕を、両腕を上げて空を仰ぎたくなる感じ、とでも言ったらいいのだろうか。あるいは360度回転するカメラの中にいるような感じ、かな?
行方不明の僕を心配してくれている友人のことも忘れて、暗い路地の奥の奥、警察官の手も及ばない『VIPルーム』で終夜の宴会は続いた。違法なのか合法なのかそれさえも定かではなく、でもせいぜいお叱りを受けるくらいの「やんちゃ」に違いない、と酔った頭が5秒ほど冷静になったものの、僕らの歌声は朝まで、切れ間無く続いた。みんな、歌うことが大好きだ。踊ることだってその気になればもう止まらない。「音楽は国境を越える」なんて場違いなセリフも吐きながら、僕にだってできるんだってとこを見せたくてがんばってみた。彼らの耳にどう聞こえるのかはわからないけど、世界一のアホ面で熱唱する僕は、ホントのアホになった。それでええんや。そのために倹しい日常を越えてきたんやないか、ってどこからか声がする。

人生の楽しみ方は人それぞれ、というのが結論だ。
他人から見れば「何それ?」なものでも、自分にとっては抱きしめたくなるほど愛しいものだったりする。それを否定も肯定もせず静かに見守ってくれる、そんな人が傍にいればそれでいい。共感も共有もしなくていい。バカにされても気にもならず、一生懸命話しても、あ、そう、くらいの無関心で、それでさぁ、などと全く違う話をする。こっちも同じ。聞いてない。

さて、この狂喜乱舞の結果がもたらすものは何だろうか?
収支はプラスか、マイナスか?
良かったのか、悪かったのか?
初期の目的は達したのか、次に持ち越したのか?
最後に残ったものは、疲労と請求書の山だけではないはずだ。
散財も是とし、多少の危険も覚悟の上で、周囲の人を傷つけてでも、競り落としたかった「商品」の価値をこれから、一生かけて確認していくんだ。その時は隣の奴に負けまいと必死だったから、小さな傷も見落とし、贋作かもしれないという臭覚も効かなくなっていた。いや、それらに目をつぶることで自分を納得させなければ、手が出せなかったんだ。それほど自分は弱い存在であることを自分が一番よく知っているから、だから長い長い準備期間とあっという間の本番によってあっけなく全てのプログラムは終了した。充実感が残った、はずだったのに。
さて、電卓をはじくとしよう。僕にとってはかつてないほど刺激的な旅だった。それだけ、ヤワな身体が受けたダメージも大きいのかもしれない。火事場のバカ力ならぬ、旅先のバカ騒ぎのせいで、身を削る。某社長もビックリの「想定外」に思わず後ろを振り返る。もしかして、み、見えざる力が??まさかね。

収穫を並べて余韻にひたりつつ、日常へのリハビリへとスイッチを切り替える。
GWという巨大なエネルギーの中でしかそれができないことが、それだけが悲しい。まるで、人生の予め組み込まれたような「予定」をこなす「作業」になっていることが虚しい。 僕の場合は「カミサマのお導き」ってことにしてるけど。でも結局は一緒なんだ。いつかその枠組みを越えた時、本当に解放されるんだろうな。全てから。自分自身からも。その時、また違う何かと違う誰かが僕の前に現れるんだ。そしてこう聞くだろう。「楽しんでますか?」

※もちろんです。そのために来たんですから。
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by ten2547 | 2005-05-05 15:43 | 旅行