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スワンナプームの朝焼け

さて、どうせ早朝の便だし、夜明かししてそのまま空港へいけばいいや。
などと最後の最後まで貧乏くさい考え方で残り少ない自由時間を貪ろうとたくらんでいた僕についに天罰が下る時がやってきた。
このままホテルに帰ってもつまらないから屋台で夜食でも..だけど時間が遅すぎたのか、場所が悪かったのか、どこも店じまいに入っている。しかたがないからホテルの24時間営業のカフェにするかと思ったら、なぜか店内清掃中。これまた時間が中途半端だったのか、気弱な酔っ払いは入り口を素通りして向かいのコンビニへ。酒はあるけどつまみがない。ナンだかわけのわからない食い物には手が出ないし、お湯もらってカップラーメンも味気ない。
ふと通りで見かけた24時営業のレストランのことを思い出した。やはり時間が悪いのか客は誰もいない。でも営業しているんだからと屋外のテラス席に腰掛けた。わずかの時間差でその後次々と客がやってきてあっという間にテラス席は満席になり、冷房の効いた店内席にもたくさんの人が座っている。みんなこんな遅い時間によく食うよな、と自分のことは棚に上げてビールとセンレックパットシーゥガイを食す。向かいの席では同朋の男性3人組が明日からの旅の予定をあれやこれやと話している。聞こうとしなくても日本語だから理解できてしまう彼らの会話は、まあどうでもいいような内容だけど、それが楽しいんだよね。ひとりじゃできないもんね、雑談は。隣の席では女性が雑誌を読みながらひとりでお夜食中。国籍は不明。その向かいではファランのカップルが互いを見つめあいながらラヴいひと時を過ごしていらっしゃる。
みなさん、それなりに長いそして風がめちゃめちゃ心地いい夜を楽しんでいる。
そんな時間もひとりではあっという間に持て余してしまうわけで、もう何もすることも行くところもない僕はホテルへ引き上げるしかない。あと2時間だからこのまま寝ないで風呂入って荷造りして音楽でも聴いてりゃいいや。それが地獄への入り口とはつゆ知らず、そんなことを酔った頭でぼんやり考えていた。
旅先のホテルでの楽しみといえば..バスフォームで泡いっぱいにしたバスタブでくつろぐこと。これは大きなバスタブとバスフォームがないと出来ないんだけど、ここにはある。よしよしと蛇口いっぱいにひねってそこにフォームを流し込むとブクブクと泡立っていく。ひととき泡と戯れたら、あとは荷造りをするだけだ。その前にちょっと休憩と、お湯でほてった身体をドサッとベッドに投げ出すと、あまりの気持ちよさに僕は、迂闊にも、眠ってしまった。
どこかで聞いたことのあるメロディーに僕は目を覚ました。時刻は午前5時。そうか携帯目覚ましセットしてたんだ。完璧じゃないか。さあ起きて、荷造り、しなきゃ...今すぐ...べっドから出...て....に..づ..zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzって、え?ここはどこ?僕は?あれ、寝てた?寝てたって、今何時なんだよ!?
6時30分...オ~~~~~~~~マイッガァ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!
頭はまだ回っていないけれど、身体は無駄に動き回る。ドババッと荷物をスーツケースに放り込むと寝癖で無残になった髪の毛をどうすることもできないまま、1階へダッシュした。
チ、チェックアウト!プリーズ!!は、早くしてね。お願い。ミニバー?使ってない。何も飲んでない。え?もういいの?サンキューの一言もないの?ま、いいかそんなこと。
再びダッシュ!通りでタクシーに叫ぶ。サナンビンカップ!え?何?500バーツだ?ふざけんなこの詐欺野郎っと言いたいところだが、時間がない。いいよ。でも時間がないからぶっ飛ばしてね。ニコッなどと笑う余裕もなく乗り込む。レオレオレオ!!!!!!!急げ~
兄ちゃん、何時なんだい、フライトは?○時××分..は? そりゃ大変だ。そうなんですよ。30分でお願いね。運ちゃんはいい人だった。その後高速道路を死にそうなスピードで僕の願いをかなえようと必死になって飛ばしてくれたおかげで、何とかチェックインには間に合った。あせりながらも東の空に顔を出した朝日があまりにきれいで、夕焼けもいいけど朝焼けもなかなかのもんだな、などと余裕こいていたが、天罰はこのあとも僕をのんびりとはさせてくれなかった。
次は出国手続きだっとォ長蛇の列。仕方ないトイレ行きたいけどガマンして並ぼう。一番短そうな列の後ろについたがこれが誤算だった。なぜか、本当になぜか自分の列は前に進まない。え?何で?出国やん。何でそんなに時間がかかるねん。別の列に移ろうかな。いやそうすると今より後ろになってしまう。このままいこう。フライト時間が迫る。それより自然が僕を激しく手招きする。こ、こんな時ひとりっていやなんだよね。後ろの人に荷物頼んでトイレ行こうかな。でも恥ずかしいな、子供みたいで。もう少しだ。ガマンしよう。親子3人連れのところで時計の針はピタリと止まった。う、動かない。全く動かない。僕の前にはおじさんが二人だから僕は3番目。だけど、動かない。何やってんだよ、そこの係官!何をどうやったらそんなに時間がかかるんだ。両隣の列はどんどん進み、すでに一緒に苦痛をともにした人々は去ってしまい、僕だけが取り残された風情だ。じ、時間がないし、トイレに行きたいし、動かないし、僕は、一体どうすればいいんだぁ~~~~~!!誰かこの女係官に言ってやってくれい。早くしろ!って。は・や・くゥ。ワォ~~~~ン............(涙)
何とか出国手続きをクリアし、トイレへと走る。新しい空港を鑑賞する間もなく。だがしかーし、こんな時に限って個室(そう個室が必要なんだよ、僕は)は満室でしかも、こんなでかい空港なのに、トイレ小さすぎ!待ってる時間はないので少しでもゲートに近いところへ進もうと次のトイレを探すけど、ない、無い、ナイ!何でやね~ん。もうかなりパニックな状態になりながらも何とか見つけた次のトイレ(しかも変な場所にあるし)でやっと生理現象を静めると、再びゲートへ向かって走る。あとは飛行機に乗るだけ.....って搭乗口まで、遠!!!!!ダッシュ、ダッシュ、猛ダッシュ。地上係員が憐れむような目で見るのも気にせず、僕は、汗だくで、そして何とも惨めな気持ちで自分のシートに腰掛けたのでありました。
あの時、目覚ましが鳴った時、起きていれば、とか、夜明かしなんかしないで早く寝ていれば、とかグチャグチャ考えていたけど、間に合ったんだから、ま、いいか。
いっそのこと乗り遅れていれば面白かったかも....。

あ。寒いですね。日本は。


※早く寝なさい!はああい.....

by ten2547 | 2007-01-05 23:46 | 旅行