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道に迷う。

楽勝だと思ってた。
なんせ都会にはわかりやすい表示と市街地図が目立つところに必ずあるじゃない。
特に駅にはさ、どこに行くには何番出口とか書いてあるじゃない。
だから平気平気!

僕は、自分がどこにいるのかさえ、すでにわからない。
ここはどこ?
自分の現在地を見失い、文字通り右も左もわからない。
すぐ近くに目的地があることはわかっている。
すぐそこに目指すべき場所があることだけは確かなのに、足は動かない。

ふと横を見ると外国人が僕と同じ状態で地図の前で固まっている。
ほとんど同時に顔を見合わせた。
「ここはどこですか?」彼が日本語で聞いてきた。
「いや、僕もどこにいるのかわからないんです。」ニホンジンである僕が答える。
「アナタはどこに行きたいのですか?」と、僕。
「○○です。」と。彼。
「それならここ、そして僕が行きたいのはここ、だけど、僕らが今どこにいるのかがわからない。」

その地図の不完全さは「現在位置」が表示されていないことだった。
迷っていてもしょうがない。僕は彼を促してとりあえず歩き出す。方向は間違っていないはずだ。
歩きながら彼に話しかける。日本語はあまり得意ではないようだ。英語が話せるかと聞かれたので、少しならとお決まりの答えを返す。よく見るとなかなかキュートな顔立ちで、しかも学生だというから、留学生かなんかだろうか。

「ここには初めて来たの?」「いいえ2回目です」「僕は今日が初めて」
そんなことを言っているうちに彼の目的地が見えてきた。たぶんあれがそうだろう。でも僕が思っていた通りとは反対側だ。地図もまともに読めないのか、とマジに凹む。
信号待ちをしている人に尋ねた。「あれは○○ですか?」
合っていた。ついでに僕の行き先も見えた。

横断歩道を渡って彼と別れた。
時間があったらもっと話してみたかった。

田舎者inトウキョウ、路頭で迷う。まるで外国人のように。

※日本の最高学府を目の当たりにして...

by ten2547 | 2006-10-06 23:43 | 戯言