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全部、何もかも全部、どうでもいい。どうなってもいい。

こっちへ来いよ、とコトバにする代わりにオマエの手をぐっと引き寄せる。
少し乱暴に壁に押し付けて、両手をバンザイさせた状態で磔の刑だ。
オレは跪き、オマエを見上げる。
愛おしそうに。
恨めしそうに。
意地悪そうに。
そして、何より従順でどうにでもされたいくらいの自分自身を投げ出して頬ずりする。
オマエの足に額をこすりつけて、100万年の罪への許しを請う。
オレがここにいて、こんな哀れな姿を晒しているのは偶然なんかじゃない。
オレは自分から罠にかかったんだ。全てを覚悟して、全てを見通して、全てを受け入れて。
どうでもいいさ、そんなこと。
唇を激しく重ねると、オマエを引き寄せる。
肌の密着度に比例して、息苦しさが最高潮に達する。オマエの首で両手を重ねる。このままオマエの息の根を止めてもいいかもしれない。オマエが最高にシアワセな姿を見届けられるなら、一緒に死んでもかまわない。
力を入れる。オマエの顔が歪む。それがまたたまらなくオレを奮い立たせる。
なかなかいいぜ、その表情...
行こうな、一緒に。いいよな、一緒なら。ふたり、どこまでも一緒ならば。
オマエがオレを突き飛ばす。何だよ、その顔は!ご、ごめん。冗談だよ。本気にするなよ。
こっちへ来いよ。今度は優しく肩を抱いて、鏡の前に立つ。そこに映し出されたのは美しいオマエと醜いオレ...怪物がオマエに襲い掛かっているの図式で、オレはオマエの滑らかな肌に舌を這わせる。指を滑らせる。オマエは眉一つ動かさず、汚いものを見るようにオレを見下ろす。
そう、それでいいんだ。
オレたち、これでいいんだよな。
返事の代わりに、優しくキスをしてくれた。
見つめ合っていたかった。
ずっと、飽きるまで、夜明けまで、ずっと、ずっと、いつまでも。

※こっちへおいでよ。今度はオマエがオレを引き寄せた。これから下されるオレへの罰を暗示して...

by ten2547 | 2006-09-08 21:36 | 青筆