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ラプソディ・イン・TOKYO

巨大都市を見下ろす高層ビルの会議室で和やかな、でもしたたかな会話が進む。
互いの腹をさぐりながら、何とか言質を確保しようと、男たちが質問し、ペンを走らせる。
ま、今日のところはご挨拶ということで....

ここからの眺めは素晴らしい。きっとテナント料もお高いことだろう。
こんなところで世間を見下ろして仕事をしていれば、何となく勝ち組にいるような気にもなるだろうな。たとえ内実はそうではなくても。などと意地悪なことを思いながらも、慇懃すぎるほど丁重なおもてなしを甘んじて受ける。
これからが大変だ。
戦いの狼煙が上がったのだ。
な~んて気分のあとはお茶でもして現地解散です。
あとは好きなところへでも行ってクダサ~イ!

久々の東京は暑かった。
久々のネクタイは息苦しく、まるで拷問を受けてるようなある意味快感も覚えつつ、湿気でもやる街をひとりぶらついた。特に行くあてもなく、ぽかんと空いた午後の空白は使えそうで使えない。こんなことなら何か予定を入れておくんだった。

そんな僕を一冊の文庫本が慰めてくれた。
さ、これを買ってとっとと家へ帰ろう。

※重松清 「小さき者へ」

by ten2547 | 2006-06-28 22:39 | 生業