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なみだ雨

夜になって冷たい雨になった。
まるで彼を見送るように。
ひとり、自らを葬った彼にさよならを告げるように。
残された者たちは、悲しむ間もなく、たくさんの手続きを行わなくてはならない。
人の死は命の終わりであると同時に、社会的に無になることだった。
いろんな人が次々とやってきて「仕事」をし、言われるままにひとつひとつ書類をそろえていく度に、もう動かなくなった彼の姿が見えなくなっていく。
痛みもなく、苦しむこともなく、去っていった彼は、その時、何を想ったのだろうか。
誰を想ったのだろうか。

※・・・・。 少し、泣いた。

by ten2547 | 2006-02-06 23:20