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パキラよ、よみがえれ!

友達にもらったパキラが、伸びすぎたせいか、自分の重みでうなだれてしまった。
すいぶん大きくなって、植木鉢も小さくてかわいそうだな。
このままじゃ枯れてしまうかも。

今日、大き目の鉢と、土と、支え棒を買ってきた。
植え替えて、枝を棒で支えてあげた。
土をいじるなんて久しくなかったことだ。
樹木とはいえ、命を永らえさせる作業に、こんな自分が多少の時間を割いているなんて..。
ガーデニングなんて言えるほどのものは何もない。知識も気力も思い入れも何もない。
枯れれば捨てて、はい次の奴。使い捨てのような、一時の慰め者たち。

パキラは、一番長くこの部屋にいる。
枝葉の伸び具合はとても美しいとはいえないけど、このまま死んでしまうのをだまって見ていることはできない。それがせめてもの僕の愛情だとしたら、そういう気持を持続させる訓練をして来なかった自分としては、まだ救う余地があるということだろうか。
去り行くものを引きとめもせず、失うことに惧れを感じない、淡々とした一面と、今日の行動は矛盾する。枯れていくのが運命ならば仕方ない。そこまでのいのちだったのだ。そう思えない。

死を、傍らにしつつ、かろうじて生き長らえている遠き肉親を想う。
毎週末、生存確認のための電話をかけるのが最近の習慣だ。
「元気?」は「まだ生きてる?」に等しい。
彼を植え替える鉢は、支える棒はあるのだろうか?
今、何を考えて、何を望みに日々暮らしているのだろう。

まるで植物のように。
彼は息をしている。

パキラよ。お願いだから元気になってくれ。
愛情が足りない分、何で補えばいいのか未だわからないこの僕のために。

※全てのいのちは、いつかは消え行く。
  わかっていても自分のその日は想像もできない。

by ten2547 | 2005-08-20 17:44