財布が無い!!
約束の時間までは30分ある。
コーヒーでもと入ったカフェで、探ったカバンのポケットにあるはずの財布が無い。
あれ?おかしいな。さっき切符を買うのに出したあと、確かにここに戻したはずだ。
ポケットは小さく、何度見ても、何回確かめても、財布は跡形も無い。
スラれた!?
たぶん生まれて初めて直面した事態に、僕は気が動転した。
け、警察に行かなきゃ..
約束の時間もあるし、ここからどうやって家へ帰ればいいんだ?
それとここの支払いはどうすんだ!
大小ないまぜになって頭の中をぐるぐると回転し始める。
カウンターの向こうから怪訝な視線が飛んでくる。
もう、それどころではない。
キャリーバッグを床に投げ出し、他のところも調べてみる。
まさか、こんなところには、、、、、あ、あった。
それは、さっきまで手にしていた愛用の財布だ。
オマエ、なぜこんなところに?
僕が、入れたのか..(そりゃそうだろう)
いや、誰かが抜いて、現金かカードを盗ってから元に戻し損ねたのかもしれない。
だけど、特に異状はないようだ。
よかった。思わず声が出る。
支払いを済ませ、運ばれてきたコーヒーを手にしてもまだ、心臓がドキドキしていた。
なぜ、別のファスナーを開けたんだろう?
何も焦る必要もなかったし、こんな入れにくいところにわざわざ、なぜだ?
いくら考えてもわからないし、記憶も定かでない。
これから始まるバトルの行方を暗示するような、後味の悪い出来事だった。
※まだ油断は禁物だ。スキミングされた可能性もゼロじゃない。
自分の過ちを認めるのも一苦労だ。
しかも帰り道、何度も通った道なのに、曲がるところを間違えた。
こういうのもヒューマンエラーっていうのかな?
by ten2547 | 2005-07-10 12:48