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井の中の蛙

怒りが、憎しみが、ある日、突然向けられる。
一本の電話の向こうからの、見知らぬ相手からの不意のナイフに身を避け損なう。
即死ならばまだ救われるが、そのナイフはじわじわと心臓をえぐりつつも、意識は覚醒している。血圧が上昇し、心臓も限界まで鼓動する。コトバを失い、サルになり、受話器を持ったまま頭を下げいてる。それは相手には見えるらしい。角度が浅いことがバレている。

いつも思うのだ。
自分は誰かに怒りをぶつけたことがあるかなって。
頭の中では毎日想像し、時にはぶっ殺していることもある。アイツだ!
でも、実際には形にしたことはないと思う。きっとそういう時って声が震えているだろう。臆病で小心者が吠える時は声が裏返ってたりするものだ。
だけど、それでも怒りは時に美しい。真っ直ぐで、わかりやすい。必ずそう伝わる。
ひとは自分の感情を放出することで、少しは楽になったりするものなのだろうか。自分の前で頭を垂れるのを見ると、目的を達成したと満足するものなのだろうか。ナイフを心臓に突き刺す時って、甘美な興奮を覚えるのだろうか。

ワンって吠えている。
冷めた目で見つめる僕もいる。そんな狭い世界でいるからだよ。そこから出てみなよ。もっと悲惨なものがころがっているよ。アナタ方は恵まれ過ぎて、その感情を向ける方向を間違っているんだ。間違っていることにさえ気づかないくらい、恵まれている。アナタ達の乗っている車を見てご覧なさいよ。よく文句言えますね。社会貢献、地球環境、茶番だ!!

謝りながら、ガソリンかけて燃やしてやった。
「地球のため」に。
「世界平和のため」に。
いっそミサイルでもぶち込んで一瞬で蒸発させて欲しいよ。

※そんな僕もまた同じように狭い世界で窒息状態だ。

by ten2547 | 2005-06-04 18:32