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海なる母へ

貴女はいつも笑っている。
貴女は時に涙する。
貴女は本当は僕のことをどう思っているのだろう?

限りなく強く、限りなく無欲で、限りなく前向きな貴女に、僕は一体何をしてあげただろう。
貴女は一人でも生きていける人だった。
貴女にとって家族とは何だったのだろう。
決して裕福ではない経済状態の中で、何一つ苦労に思わず、むしろそれが自分の使命であるかのように働き、惜しみなく与えてくれた貴女に、僕は何一つ返してはいない。

いらないと言う。
何もいらないと貴女は言う。
たぶんそれは本当で、嘘でもある。
貴女が欲しいものを僕が未だに差し出せないことへの諦めなのかもしれない。
貴女のプライドがそれを許さないのかもしれない。
真実を知ることは時に残酷で耐えがたい。

僕が僕であり、僕らしく元気に生きていること。
決して不幸ではないこと。
それだけが今の、これからの僕にできること。
きっと貴女は許してくれると思う。

永久の別れの瞬間、僕は貴女に言うだろう。
ありがとう。そして、ごめんなさい。

※愛情の表現にルールはない。
  僕は僕なりに...でももう時間がない。
  僕らに残された時間は決して長くはない。 

by ten2547 | 2005-05-14 10:16