仮面の下

キミは、誰だ?
僕の知らない顔が僕を見ている。
何かを僕に言っている。

何時間経過したのだろう。
僕は、気を失っていたのか。
部屋を見渡しても、何も変化はないようだ。

どこかで声がする。
聞いたことのないような、それでいて知っているような。
僕を呼んでいるのか?

キミは誰なんだ?
ナゼここにいるんだ?
僕を、知っているのか?

何百年の歴史の中で繰り返してきたことがある。
そしてその内のいくつかは重なっている。
共有していると言ってもいい。

ここにいたのだ。
かつて僕が存在していたのだ。
今、歴史の扉が開かれようとしている。

歯が痛い。歯そのものではなく、神経に痛みが伝わっているのだ。
どこかで発生した痛みが、その場所から溢れて、別の神経を刺激する。
耐えがたい痛みが全身を駆け巡る。

ところで、キミは、誰だっけ?
もう数分前のことを忘れている。
次第に脳細胞が衰退し、情報を伝達しなくなってきている。

何かがおかしい。
全てが正常でない。
その内、自分のことも忘れてしまうのだろう。

僕が僕に向かって尋ねる。
「キミは誰だ?」
「・・・??」
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by ten2547 | 2005-03-12 23:38