どこへも行かない、生かない、活かない、でも逝かない

スクランブル交差点の中央で立ち止まってしまうような、圧倒的な絶望感と敗北感、疎外感の中で僕は声を出さずに発狂していた。携帯電話の高度な機能は文字変換と伴に生きる希望を一つずつ奪い去るように僕を導いてくれる。僕はここで何をしているんだろうと、ローカル線の列車の中で自爆する。生きてない。活きてない。行く宛てもなく、逝くこともできない。耳を塞ぎ、目を閉じて、世の中と隔離された世界で僕は膝を折る。かけらもない。生きているという感覚が麻痺していく。クスリのせいでもなく、飽くなき欲望によるものでもない。一瞬で失われてしまった命のように、生暖かい空間を浮遊している。(一家4人が踏み切りで死んだ。ぐちゃぐちゃになった車体の中で肉と骨は砕かれた。それを一人残った長男が見送る。1秒前までは幸せな人々が、無残な姿でこの世を去る)僕は彷徨っていた。大都会の片隅の反吐が出そうな猥雑な路地裏の暗く狭い空間で再度「生」を失う。五感が麻痺する。正常なのは脳ではなく、得体の知れない器官で、普段は何の役にも立たないクセに、こんな時だけ僕を支配する。僕ではない、僕を形成する細胞の一部を乗っ取るだけで、僕という危うい存在は狂気に変わる。犯罪ではないかもしれないが、背徳で邪悪で救いようの無い「癖」だ。可笑しくもない。悲しくもない。感情というものがない、平坦な世界なのに、揺れているようだ。傾いているのは自分自身なのだろう。平衡感覚を司る器官が冒された。耳の奥のその奥にある宇宙がねじれている。狂気はこういうところから始まるんだ。内側で爆発したら次はどこへ行くんだろう。他人に危害を加えたリ、自分を傷つけたりしながら落ちるところまで落ちて、社会の片隅に追いやられ、虫けらみたいに死んでいくんだろうな。それまでを何と呼ぶんだろう。「死んでいない状態」であって生きているとはいい難い。息をして心臓が血液を送るだけで思考しない、ただの肉の塊だ。消してしまいたい。全て。何もかも。恐怖の時間が過ぎていく。

それでも朝は来る。残酷な刑罰は終らない。まともじゃない。狂ってる。

自分ではなく、世界の終焉を望むのは、自分だけは生き残ると思い込んでいるからで、そんな奴に限って死にたくないと思っているわけで、生への執着が強すぎて自殺もできずに幼児を殺め己を正当化して莫大な税金使って飯を喰らい、死ぬまで生きるんだ。
他人を通じて死を体験しているから自分では自分を殺せない。だって自分が死んだら人を傷つけられないことを「実感」できた奴らだから。どれだけ痛くて苦しいかを自分の目で見て皮膚で感じたんだから。善良な市民はただ殺されるだけ。車や電車に轢かれ、炎と煙に巻かれ、愛する家族と永久に会えない魂になる。その瞬間思ったことは何だろう。感じたのは痛みだけだったのか。そんなこと確かめたくなる奴がいて困る。自分で実験すればいいんだ。

もういい加減、キレイ事はやめにしてホントのことを言おうじゃない。
一番悪いのは誰だ?
一番キライなのは誰だ?
一番許せないのは誰だ?
一番近くにいる。
今も何食わぬ顔して生きている。
爽やかな笑顔で、清潔な服装で、何一つ汚れなき姿で、背中に汗をかいている。

オマエだ。
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by ten2547 | 2005-02-12 09:52