キミは夢の中を泳いでいる。
助けて...
どんな夢を見ているんだろう。
キミが寝言で助けを求めていた。
誰かに襲われて、怖い思いをしているんだろうか。
何かに追われて、出口を求めているんだろうか。
目が覚めたボクは、薄暗がりの中、キミの姿を確認する。
キミが僕に惜しみなく与えてくれた優しさと温もりに対して、
ボクは一体何をしてあげただろうか。
いつも見えないところで発している救助信号に、
気付いてあげたことがあるだろうか。
キミはいつもいろんな質問をするけど、
僕が聞いて欲しくないことは察しているかのように、一切触れない。
そして僕も話さない。話す必要はないから。
信じているよ。
答えの代わりに、キミが僕に差し出すものは、
深くて、重い。
何を、信じるというのか。
何が、信じるに値するというのか。
きっと夢の中で見たものは、真実なのかもしれない。
キミが一番知りたいことのひとつだったのかもしれない。
さぞかし恐ろしかったことだろうな。
その恐怖を打ち消すように、僕らは貪りあった。
僅かに残された希望を。
互いの気持ちの全てをつぎ込んで、確かめ合った。
微かに許された快楽で。
これだけは止められないね。
※価値観が同じで良かったと思う。
by ten2547 | 2009-12-07 21:41 | 白書