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明るく、楽しく、幸せな話

どうしたって手に入れることの出来ない、だけど、その距離は伸ばせば届くほど近く、触れ合った瞬間今まで抑えていた感情が一気に脳天を突き破って噴出するのを背中で感じて、指先で操作して、自分が自分でなくなることをひたすら望んだ、欲した、そうだ、欲しい欲しいと子供のようにおねだりするのを何とか許してやろうとそこら辺にころがってる物なら何でも手当たり次第に投げつけて、そうやってもどうやっても決して自分のものにはならないことを本能で感じ取って、でもその運命さえも変えられるような自分勝手な錯覚と恥ずかしいくらいの自意識で腹をパンパンに膨らませた醜態さえ武器に、追いかけた、失いたくなくて、ここで諦めたら一生後悔するぞなんて重い感じじゃなくて、そうじゃなくて、なんだろう、なんなんだろうもっと単純でわかりやすい、そうだ、それを口にしたら一瞬で世界が終わってしまう魔法の言葉を伝えたくて、伝えたくて、ひざまずいて告白のイメージで見上げた、願った、馬鹿みたいに馬鹿になって、結末がわかっている推理小説だけど、それでもいい、それでもいいからお願いだ、もう少しだけこうしていて、並んで座っていて、優しさと温もりと全部ウソでいいからお芝居でも構わないから今ここで最後の瞬間が訪れる、別れを告げなければならない時間が来るまで束の間の夢を見させて下さい。


※そして名前さえ覚えていないことに愕然となる朝。

by ten2547 | 2009-06-28 14:09 | 馬鹿