壁に耳あり障子にメアリー

人を見かけで判断してはいけません。

<其の一>
どこか静かな場所で飲もうと入ったバーのバーテンダーはいきなり流暢な日本語を話した。
どこで勉強したんですか?
学生時代に勉強しました。
へえ~、日本に留学とかしたことあるんですか?
いいえ、一度も行ったことアリマセン。
ええ?ないの?じゃ、どこでブラッシュアップしてるんですか?ここにはニホンジンなんてそう来ないでしょ?
ええ、あまり来ませんね。
彼、ジョン君は日本が好きで、日本にあこがれ、日本語を勉強して、会話もできる。
でも日本に行くお金がない。VISAの取得は難しい。日本語を活かした仕事につけるわけでもない。それでもここで、滅多に来ない観光客相手に、立派にその役目を果たしている。
日本に行ってみたいですか?
ハイ、行ってみたいです。
なんとかならないものか?なんともならないね。
がんばれ、ジョン君。日本に行けるその日まで!(無責任)

<其の二>
空港のレストランで。
僕らのテーブルの両側はファランが各々ひとりで食事をしている。
右側の彼はビールを飲んでちょっとほろ酔い。顔を真っ赤にしてサッカーを見ている。
左側の彼は辛そうな料理をフーフー言いながら食べている。
アホなニホンジンである僕らは当然彼らは日本語は解さないだろうとバカっ話に興じていた。
どっちがカワイイとかタイプとかそんなことも言った様な気もする。
少し酔いの回った僕は左側の彼に「辛いですか?」とエ~ゴで話しかけてみた。
「ええ、辛いですよ。でも美味しいです」と彼はニホンゴで答えた。
に、ニホンゴで???
あれ?日本語わかるんですか?
ええ、僕、世田谷に住んでますから!
せ、世田谷ですか~...ハハそうですか。お上手ですね、ニホンゴ...
頭の中では今まで僕らが話していたことを反芻していた。
何、話してたっけ?あ。まずいよ~。あんなこともこんなことも言ったよな~(赤面)
僕らの会話、聞いてました?
ええ、まあ、耳に入ってきました。(全部バレてる。もう開き直るしかない...)
そうですか。これからどちらに行かれるんですか?
ロンドンです。ここはトランジットだけなんです。
そういう彼の左手薬指には指輪が光っていた。奥さんはニホンジンだそうだ。
あ、じゃあ僕らは時間なのでもう行きますね。
よい旅を!
お気をつけて!

人を見た目で判断してはいけません。


※僕は黙っていたらホンコンジン?
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by ten2547 | 2008-08-21 00:02 | 旅行