ラッキーストーン

これは幸運の石ですよ。
露天の女性はそう言った。
はあ、そうですか...。

幸か不幸か、あっさり振られてしまった僕は、まるで“傷心旅行”よろしく、お寺の仏像の前に座り込んで動けなかったり、わけもなく涙が流れてきたりするもんだから、そんな気分を一掃しようとその石のついたネックレスとブレスレットを購入した。

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せっかくの旅行なんだから楽しまなくちゃ。なんて自分で自分を励ました。

ご利益はあったんだと思う。
僕の思った以上の非日常に遊び、歌い、踊っているような気分だった。
たくさんの友人に囲まれているような錯覚さえ覚えた。
いくら飲んでも大丈夫だったし、全ての憂いと全ての不安から解放された僕は、あとはどこまでも突っ走るだけだった。

僕が求めていたのはこれだ。
この感じだ。

やっぱり「この国」は面白い。
きっとこれも僕の甚だしい勘違いから発生している幻覚のようなもので、現実はゾッとするほどの問題と苦悩に満ち溢れているのだけれど、しばし痛みを忘れるモルヒネのように、僕をフワリと軽くしてくれる、そんな治癒効果が「この国」には確かに存在する。
クスリの効果は朝まで続いた。

この石のおかげかな。

いい年してよくやるよな、と呆れ気味に自嘲もしてみたものの、今回はよくやったよね、と自分を褒めようと思う。ちょっと甘いけど。



※See you!
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by ten2547 | 2008-05-06 21:51 | 旅行