余韻

今日一日は、現実生活復帰へのリハビリだ。
でも、少しでも長く夢を見ていたいから、テレビを消して買ってきたCDをかけて、こうして仮想空間でキオクの断片をたどっている。
舌に残る辛さや、足の裏をマッサージしてもらった感触、ナムプラーやココナッツミルク独特の香り、ルークトゥンのメロディーとリズム、カッコよかったCRASHのPV、眩しい太陽と心地いい風、風鈴の音色、そして、何よりも忘れられない笑顔...
な~んて思い出の余韻に浸っていられるのもあと数時間で、明日からは地獄の日々(時々天国)が始まるわけで、もう朝早起きして散歩することも、毎晩ビール飲むことも、キミに肩揉んでもらうことも?しばらくはお預けね。

そう、身体よりも心をマッサージしてもらいに僕は自分の日常に背を向けるんだ。そんなことをいつまでも続けていられることに疑いと感謝、そして申し訳ないの思いを詰め込んだ荷物はどうしたって大きくなってしまう。
入管で旅程の割にはスーツケースが大きいと言われた。何だコイツ、余計なお世話じゃと思いつつも、まあ人より荷物が多いのは確かなので仕方ない。
何をそんなに持っていくのか?何をそんなに持って帰るのか?彼の疑問はそこにある。一人でしょ?数日でしょ?何かイケナイもの持って帰ってきてんでしょ?ということなのだ。

名古屋なら確実に開けられる。汚れた下着まで調べられる。関空や成田は人が多すぎてさばき切れないのか滅多にスーツケースの中までは調べない。もちろん僕は何も違法なことはしていないので堂々とお見せするけど、荷物の量までとやかく言われるとは心外だ。でもこれも現実帰還への第一歩。僕は怪しい東南アジアへのリピーターで一人だから絶対現地に知り合いか何かがいてイケナイことをいっぱいやらかしたあげく、イケナイ品々をこっそり持ち帰る犯罪者、なんだろうな、彼ら目線では。

当たっているし、正解でもない。その通りだけど、ちょっと違う。
彼らに説明するのは難しいね。する必要もないけど。
僕は「違法なこと」はしない。滞在先の法律だってちゃんと守る。でも完全にシロじゃない。
許される範囲の、合法的不良、なんです。(なのか?)
そこにはいっぱい「違法なもの」があふれている。コピー商品が氾濫し、真昼間からエロ画像を売り歩く兄ちゃんだっている。その国の法にだって触れているだろう。そもそも大半の物売りは「違法」なんだろうな。
でもその国で「許されること」は全ての人にOKというわけじゃない。そこを間違えると思いもよらない世界に迷い込んでしまうことになる。迷い込んでしまいたいという思いもないわけじゃないけど、そこまでして得たものなんか結局はニセモノなんだし、帰国後の虚しさを思えば最初から遠慮しておいた方がいい。ってこれは多少の経験も踏まえての結論で、特に薬物はいけません。逮捕されちゃいます。(当たり前か)
強いて言えば唐辛子が僕の麻薬みたいなもんで、半ば中毒で、身体壊してまでやめられないのさ、何とかしてよ神様。

「プレーンチーウィット」が切々と心情を歌い上げる。残念ながら意味はわからないけど、気持ちは伝わる。この歌手いいよね。そんな話で盛り上がる。それが楽しい。
暑いけど汗かきながら食べる「ムーチュム」は最高に旨い。つまみの「ナムトックムー」はもう死んでもいいくらいの絶品で、先に帰国した友達に申し訳ない思いで、それこそ「滝のような」美味しさに汗だけでなく涙まで流す。
そしてその余韻は毎日の生活や食卓をほんの少しだけ彩りながら、次の「お祭り」への準備期間へと繋がっていくのだ。
また愛する家族に会いに行くように、僕の愛して止まない世界で心のマッサージを受けるために、現実を生きていく。生きていこうと思う。


※ホントにまた会えたらそれこそみんなの見ている前で抱き合って喜んじゃえ。
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by ten2547 | 2007-08-19 11:01 | 旅行