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父の涙 息子の笑顔

若き父は息子を愛していた。
本当は不安で、受け入れられるか、受け入れてもらえるのか、自信はなかった。
だから、愛そうと努力した。
そして、愛していると確信した。
はずだった。

全てが通じ合えていると思えたけれど、何もわかり合えてはいないことに気づいて....
だからだろうか?
そうではないのかもしれない。
彼の流した涙の意味は、答えでもなく、戸惑いでもなく、きっと自分自身への、
自分がどれほど表面的にしか人間と接していないかを思い知って.....
いやそうでもないのかもしれない。

息子は父を拒まなかった。
本当は彼が父だろうと叔父さんだろうと、どうでもよかったのかもしれない。
だけど、献身的な父の愛に応えようとした。
自分に甘える父を受け入れた。
そう思えた。

全ては彼の根源的な欲求が満たされるかどうかだけにあった。
自分をうまく抑制できない彼にとって、
自分のしたいことを邪魔するものはただ排除するしかない。
それがだれだろうと関係ない。

その後、普通の親子なら当然交わされるべき会話が彼らには存在しない。
イヤなものはイヤ、でしかなく。
嫌いなものは嫌い、でしかない。

寂しげにつぶやく彼女の言葉が全てを言い表していた。
いっそのこと....

若い父も一瞬そう思ったのだろうか?
美しい北欧の自然の中で、彼の流した涙の意味を知る人はいない。
それが悲しかった。
死ぬほど辛かった。
だってこれが永遠に続いていくのだから。


※結局、人は傲慢だってこと、なのか?家の鍵

by ten2547 | 2007-07-08 20:26 | 映画