そんな日に限って臨時休業だったりする

問診票を前にはたと考え込む。
自分がいつ何の病気をしたかを正確に記憶している人なんているんだろうか?
みんな病院へ行く前に罹病歴を調べてくるわけ?
昨日何食べたかも定かでないくらい引き出しが狭くなっている僕の脳みそに回答不能な質問が続く。

救急車に乗って恥を晒しながら病院に着いた場合は直ちに処置室に運ばれるけれど、夜間救急に自力で行ったらどうなるか?どこの病院もそうなのかはわからないけど、自分の場合は入り口で書類を書かされた。悶絶しながら、痛みに耐えながら、バカバカしい質問に答えている時の惨めな姿はどんなSMビデオより残酷だった。あのけたたましいサイレンで近所に恥を晒すのがイヤで脂汗にじませて駆け込んだ場所は、どこのだれかわからん奴は中には入れんぞって僕を拒んだ、どこまでも優しい白い巨塔だったのだ。

見事なまでの周期でもって、身体のきしみが、ほころびが、油切れが表面化する。
内側から発せられる危険信号は、そろそろ手を打たないとエライことになりますよって、どこかのテレビ番組じゃないけど、SOSのサインなんだろうな。自分のことは自分が一番良く知っているわけだけど、腹をかっさばいて覗き込むこともできないので、ここは大人しく、ジジババに混ざって順番を待つことにする。どうせやることは決まっているし、診察は3分で、それで午前中はつぶれることはわかっていても、そうしなければ、そこにいかなければならない理由がある。
ただ待つだけで高額な治療費を請求されても、やはりそれ以外には選択肢がないことを知っている。自分のおかれた状態を客観的に示す方法は、専門家の意見を得ることが一番近道だ。言い換えればそれは「完全なる敗北宣言」なんだけど、死んじゃったら元も子もないもんね。

いいんだよ。それでどうのこうの言われても。自分の身体は自分で守るしかないんだから。

そんなわけで、春のような陽気の街をさまよった。
お薬ができるまで、ウィルスの蔓延する待合室に居たくなくて、ちょっと散歩した。
お昼休みでランチに走る人、コンビニに駆け込む人、制服、作業服、スーツ、いろんな格好をした人々がひと時の憩いを楽しもうとする中、僕は空腹を抱えて時間をつぶした。
そんな日に限って、たどり着いた、滅多に行かない店は開いてなかったりする。

僕のお腹は満たされない。

もう今日は休んでやる。


※とか言って午後は仕事した。痛みに耐えて。人々の同情と憐れみを全身に受けて。
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by ten2547 | 2007-02-06 21:52 | 戯言