天使と悪魔

目の前に現れたのは天使なのか、それとも邪悪な化身なのかは一見しただけではわからない。
経験による「勘」のようなものがあてになることもあれば、全く予期せぬ事態に陥るまで気がつかないこともある。
果たしてその結末は?
真夏の爽やかな暑さの中で何もかもが溶けていった。
サングラス越しでもその表情は鮮やかに僕の目に焼きついている。
何も問題はないじゃないか。
今日もこんなにも満ち足りた気分で過ごせている。
心配事は何一つない。はずなのに。
何かが心に引っかかっている。
うまく行き過ぎているのが問題と言えばそうだろう。これにはきっとわけがある。僕の計り知れない陰謀が渦巻いている。やがて天使はその微笑の裏に隠した刃を僕に向けてくるに違いない。
小説じゃあるまいし、そんなこと起こりはしないよ。

そう言った自分こそが本当の悪魔だった。
それほど人を傷つけてまで幸せになりたいか?
そうやって手に入れた偽ものの幸福に酔いしれている自分の姿を鏡に映して吐いた。
あまりに醜い姿に嫌悪した。憎悪した。
それがあまりにも悲しく、美しい夕日に背を向けるようで切なかった。

最悪なのはそう気がついてもまだ、猿芝居を演じ続けていることだ。

※人生最高の最悪の舞台で
[PR]

by ten2547 | 2006-08-17 20:07 | 旅行