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現実は笑っちゃうほどバカバカしい

極限の緊張感の中セリフを暗唱する役者のように、舞台袖で出番を待っていた。
その扉の向こうには自分が望むと望まざるとにかかわらず、ある一定の基準に従って選別するマシーンが「僕ら」を待ち受けている。
別に好きでここにいるわけじゃないのに、どうしてこんなにも胸が高鳴るんだろう。
お見合いだと思えばいい。
合コンだと思えばいい。
好きになればいいんだ。
好きになってもらえればそれでいいんだ。
カチャッという音を合図に、「僕ら」はまな板の上のコイとなった。

現実は想像以上に簡単でまるで自分の価値は初めから決まっていたような、ある意味残念なものだった。消化不良というか、ずるい言い方をすれば助かったっていう感じで、何のためにこのセレモニーが行われるのか正直わからない。○なのか×なのかもわからない。
ただ、疲労した。
空腹で喉がカラカラだった。
生理的な欲求は数時間マヒしていたのだ。
なぜだか笑いが止まらない。バカバカしくてアホらしくて、ひきつった笑いにみんなが引いていた。だって笑うしかないよ。
時計の前で、カガミの前で、醜い自分を見つめて練習したことは、何一つ「オンエア」されなかった。そういうシナリオだと初めからわかっていたらこんなに楽なことはない。

だから現実なんだ。
宝くじも馬券もそう簡単には当らない。
未来はいつも霧の向こうにぼやけている。

※ま、「彼ら」も大変だと思うけど..

by ten2547 | 2006-02-05 21:21