ホテル11am

狭いエレベーターの中は不安に満ちているせいか、短い会話が交わされる。
それは互いに敵ではないことを確認し、身の安全を確保する行為なのかもしれない。
こんにちは!
今日もいい天気ですね。
どちらからおいでですか?
よい一日を!
笑顔で答えればそれでいい。
相手の中身や細かい事情などはわからない。ただ、自分に危害が加わらなければそれでいい。

私はね、ちゃんとお願いしたんです。連絡くださるようにあれほど念をおしたのに、どうしてミスをなさるのかしら。こんな簡単なこともできないなんて一体どうなってるのこのホテルは!それで私のチケットはどうなったの?ちゃんと手配してくれたんでしょうね。
相すみません、マダム。もうしばらくお待ちを..
もうこれ以上待てませんわ。私は今すぐ、今すぐ欲しいんですの。早く何とかしてちょうだい。

おビールですか?
い、いや、今日はまだいいよ。コーヒーを頼むよ。
夕べ立て続けにビールをあおったのを憶えていたんだな。そんな奴いくらだっているだろうに、よほど印象に残ったんだろうか?何か滑稽な姿に映ったんだろうか?寒くて、痛くて、早く酔ってしまいたかったんだ。酔えばしばし痛みも忘れられる。あの寒さは、気温のせいじゃなかった。身体の調子がおかしかったに違いない。すでに風邪気味だったのかもしれない。とにかく震えが止まらなかった。

キミ、荷物を頼むよ。
タクシーは?
もう手配済みだ。9:00に予約している。
では確認してまいります。・・・もう大丈夫とのことです。こちらでお待ちください。
ありがとう。
では、お気をつけて。ありがとうございました。

※完璧ではない。それでも十分快適だった。
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by ten2547 | 2006-01-11 22:00 | 旅行