旅の余韻

足をひきずって歩いていたら、後ろから声をかけられた。
日本語だし、当然ながら聞こえたし、それが自分のことであることは理解できた。なのに、アタマの中には「余計なお世話」という言葉が渦巻き、適当に答えてしまった。
隣の人に話しかけようとか何とか言ってたくせに、もうこれだから..
オトナじゃないなって思った。
心配してくれたんだから、それには礼をいい、大丈夫ですと言っておけばすむことだ。その人はもしかしたら医師で、ちゃんと受け答えしておけば明るい未来が開けたかもしれない、なんてことをあとでぐちゃぐちゃ思ってる自分が情けなかった。

なんだか、長い旅をしていた感じだ。実際に旅をしていたのかもしれない。100の言い訳と1000の偽りの中で、僕はひたすら保身に走っていた。痛み止めを打ちながら仕事するならかっこいいけど、ただ酒飲んで、ばか話して呆けていただけなのに、いざ、立場が悪くなるとあれこれ理由をつけて結局は「金銭」で解決する。それもひとつの方法だけど、素直に「助けて下さい」って言えばいいじゃないかとも思う。思うだけ。進歩なし。年明けから学習効果ゼロスタートだ。

それにしても人間、窮地に立たされると意外とパワーを発揮するものだと感心する。自分に感心するというのも変だが、火事場の馬鹿力という奴だろうか。(もちろんその「力」ではないけど)とりあえず今日もこうして生きている。カメの歩みだけど自力で歩いている。それで十分だ。明日からはメガネとお辞儀の日々がまた始まる。その日常の隙間にきっとこの数日のことが、いい意味でもその反対でも、僕を励ましてくれるだろうと期待する。

※空想の旅は終わり、現実の旅に出るため革靴に履き替える。
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by ten2547 | 2006-01-05 15:19 | 旅行