ホアヒンの風

僕はなぜか東バスターミナルに立っていた。ここからはホアヒン行きのバスは出ていない。
南だ。どうして間違ったんだろう。何の迷いも無く電車に乗っていた。きっと動揺していたんだ。一人で出かけた友人のことが気がかりで、そして自分一人でいくうしろめたさも手伝って。
15分くらい、僕は何も考えがまとまらないまま街角に佇んでいた。どうしよう。今日一日どうやって過ごそう。予定通り行くには南バスターミナルへ行かなくてはならない。行かなければ、丸一日何にもすることなくこの巨大な街をさ迷うことになる。別に考える必要なんてないのに、こういう時の自分って本当にダメな奴だと思う。タクシーに乗ればいい。躊躇する。じゃ電車に乗って少しでも先へ進んで、それから考えよう。やっと重い足が動く。
シーロムまで行ってタクシーを拾う。南バスターミナルまで、と英語で言っても通じない。「サーイターイクラップ!」どうしてこのバスターミナルはこんなに遠いのだろう。腰が痛くてシートに深く腰掛けることができず、僕はずっと前の背もたれを抱きしめるような格好で乗っていた。信号待ちで止まった僕を通り行く人々が不思議そうに眺める。確かに変な格好だもんな..
9:30発ホアヒン行きのエアコンバスは定刻どおり発車した。僕の席は、、中央のトイレの真上!ここだけ足元が高くなっていて、狭い。よりによってこんな時にこんな席だなんて。これで3時間半も揺られるのかと思うと気が重い。隣は若い女性、うしろを見ると満席ということでもなさそうだ。体調が悪いから席を替わってもらえませんか?そんなことさえも言えずに、僕は膝を折り曲げ効きの悪いエアコンに汗かきながらひたすら耐えた。少し後悔した。
終点につくと一目散に海を目指した。数分もすると潮の香りが漂い、やがて目の前が開けた。やっぱりこの感じがないとね。リゾートには相応しくない格好でフラフラと歩く姿はもの悲しいほどで、いかにも日帰りで来ましたという感じだったが、とにかくビーチ沿いのカフェを目指して進み、ようやくヒルトン・ホア・ヒン・リゾート&スパに腰を落ち着けた。海からの風を受けながら一人でランチタイム。まわりはファランばかり。「ヤムガイヤーン」をつまみにビール。自分には場違いなところだけど、プチ優雅な気分に浸りながらほろ酔い。ほんとはあのビーチに寝転がりたいけど、それはまたの機会にしよう。この次は全身でこの風を受けて、もっと身軽に、もっとくつろいでみたい。
隣にキミがいれば最高だけど..

※とんぼ返りです。
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by ten2547 | 2005-05-08 09:38 | 旅行