誰も居ない海

独り占めだった。
その広い空間には僕だけ。
僕ら、だけで、
寂しいといえば寂しいし、
僕にとっては心地良く、
「彼」にとっては商売上がったりの最悪の日、だったろう。
そんな日もあるんだな。

雨が降っていた。
気温も低かった。
どこぞで大きなイベントがあってみんなお出かけしていた。
僕が疫病神だった。
単なる偶然だった。
意図的な嫌がらせだった。

僕らは、有り余る時間を昔話に費やした。
過去を語るようになったらおしまいだね。
年下に説教くさくなったら終わりだね。
とか、
共通の友人の行方についてあれこれ詮索してみたり、
ちょっと美化された互いの「思ひ出」にしばし酔いしれた。

あの頃の僕は、求めていた。
いろんなことに貪欲だった。
仕事も、プライベートも、
これでもかというくらいに手に入れようともがいていた。
夢のような出来事も、
人を愛する喜びも、
泣きたくなるような高揚も、
素直になることで次から次へと目の前に現れた。なんて、
また美化しようとしている。

過ぎた時間なんてそんなもの...

結論はでないけど、やっぱり今が一番だねと、
「誰も居ない海」を後にした。

僕の今は、最高で最低。
今の自分であの頃だったら、最高で最良だったかどうかはわからない。
人は今を生きるしかないのだから。
未来でもなく、過去でもない、今、この時間が全てで、
その「今」はどんどん過去になっていく。

今夜は賑やかだろうか。
僕は、静かな方が好きなんだけどな。

常に矛盾を抱えつつ、早速途方に暮れる。


※最低で最悪。
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by ten2547 | 2009-06-06 11:56 | 戯言