快適な距離の取り方

日本の、特に東京の朝夕のラッシュ時の満員電車はオーベー人には信じ難い光景なんだそうだ。
日本人だって決して愉快なわけじゃないけど、通勤通学だから仕方なく乗ってるわけだし、たま~に多少いいこともあったりするから(これこれいけません、そんなこと想像しちゃ)ね。
女性が近くにいたりすると気をつけないとエライコトになってしまうし、体力は消耗するし、変な臭いや暑さや息苦しさ、ああ、やっぱり耐えられません。

さて、バンコクにもBTSなる大量輸送交通機関が走っているけど、朝夕の通勤時間帯がどれほど混むかは定かではない(そういう時間に乗ったことないから)。多分、今でも路線の少ないBTSよりバスが庶民の足としては主流だろうから、すし詰め状態っていうわけではないのだろう。従って僕が乗るようなほのぼのした時間帯は決して人と人が触れ合うなんてことはないのであります。

ところが...触れてしまったのでした。053.gif
僕は乗り換えのためホームで次の電車を待っていた。ドアの前に一応列ができるので何となくその辺に立っていたのだけど、ふと隣りの列を見ると、爽やかな青年(イケメンとかではない?)が立っているではありませんか。何というか超普通なので、この大勢の人の中でなぜ彼に目が止まったのかは自分でもわからないくらい、釘付け状態になっていたのでした。でもあんまり見るのは失礼なので、彼の向こうにあるコマーシャルが流れるスクリーンを見るフリをしながら1秒おきに視線を動かしたりして鑑賞していたのです。
でも乗る扉は別ですから何がどうということはなく、次の電車に乗り込んで扉横のスペースに陣取ったのでした。ふと視線を上げるとなんと目の前にその彼氏が立っているのです。え?何で?
彼は並ぶ列を乗る寸前に変えて僕の後ろから乗り込んだに違いありません。が、ここまでは別にどうってことはない話で、こっちの方が空いていたとか何とか理由はあるでしょう。問題はその立ち位置でした。

それほど混んでいない車内にしては彼と僕は異様に近いのです。こちら側に向けた彼の左手は僕の右手に今にも触れそうです。僕は壁にもたれていてそれ以上後ろには下がれないので一切動いていないし、彼に触れようと思ってはいなかったのに、何となく、彼がこちらに身体を寄せてきているようで、あれ?変だなと思った時電車が揺れて、彼の左手が一瞬触れたのです。僕の右手に。え?どうして??

心臓がバクバクと音を立てていました。スベスベした彼のチョコレート色の腕は食べてしまいたくなるほど美味しそうで、僕の体温は一気に上昇してサーモグラフィーに引っ掛かりそうなくらいだったと思う。彼がチラッとこっちを見ました。どういう意味なのか、単なる偶然か、スケベ心にスイッチが入ったアホなおっさんがファイナルアンサーを求めて一歩踏み出そうとした時、次の駅に到着し、女性が乗り込んできて僕らの距離は銀河の果てほど遠のいたのでした。乗車時間も短く、僕の勝手な思い込みであることはほぼ間違いないので、降りる時に手でも握ってやろうなどと特攻する気力もあるはずもなく、32℃の熱気の中に蒸発して行ったのでした。

それにしても、あの距離はおかしかろうて、お兄さん!


※どうしようもないほど下らない話だ...
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by ten2547 | 2009-05-06 15:03 | 旅行